株式会社ニチレイロジグループ本社(東京都千代田区)は、
2025年4月24日付でマレーシアの関連会社NL Litt Tatt Group Sdn. Bhd.(以下:NLLTG)の株式を、
保有元のLitt Resources Sdn. Bhd.より取得する株式譲渡契約を締結しました。
これによりNLLTGは、同年7月を目途に完全子会社化され、連結対象に組み込まれる予定です。
ニチレイロジのマレーシア戦略の一環
ニチレイロジグループは、保管・輸配送・3PL(サードパーティ・ロジスティクス)・海外事業などを展開する、食品物流の大手企業です。
マレーシアではこれまでも以下のように段階的に展開を進めてきました:
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2018年6月:NL COLD CHAIN NETWORK(NLCCN)へ出資開始
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2022年6月:NLLTGへ資本参加
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2023年3月:NLCCNを完全子会社化
今回の買収により、NLLTGも完全傘下に収め、マレーシアにおける保管・配送一貫体制の整備と機動的な意思決定体制の構築を目指します。
買収の狙い ─ 物流機能の統合でシナジー創出
NLLTGは、自社トラックによるラストワンマイル配送に強みを持ち、きめ細やかな物流サービスを展開。
一方で、すでに完全子会社化されているNLCCNは保管能力に強みを持つ企業です。
今回の買収により、両社の機能連携を深めて保管・輸送の一体型サービスを強化し、
マレーシア市場でのプレゼンスをさらに拡大する計画です。
また、子会社化によってガバナンス体制を明確化し、意思決定の迅速化や経営の一体化も実現していきます。
注目ポイント
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冷凍・低温物流におけるグローバル展開の加速
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自社車両×保管拠点の統合で競争力強化
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マレーシア市場を東南アジア展開のハブとして活用可能性も
東南アジアでの需要増が見込まれる中、冷凍物流インフラの強化は今後も継続的な成長領域です。
ニチレイロジの動向は、食品・低温物流業界におけるグローバル戦略の象徴的事例となりそうです。