キーエンス、独CADプラットフォーム大手CADENAS社を買収──3D CAD×FAで次世代ものづくり支援を強化

株式会社キーエンス(6861)は、ドイツのCADENAS Technologies AG(以下:CADENAS社)の全株式を取得し、

2025年5月20日付で買収を完了したと発表しました。

これにより、CADENAS社はキーエンスグループの完全子会社となります。

買収の背景

キーエンスは、センサや画像処理機器などを提供するファクトリー・オートメーション(FA)の総合メーカー

近年は、ソフトウェア・インターネットビジネスへの事業拡張を強化しており、今回の買収はその戦略の一環とされています。

買収したCADENAS社は、世界的に利用される3D CADデータプラットフォーム「eCATALOG」を提供しており、

部品メーカーと約1,000万人のエンジニアをつなぐサービスで高いシェアを誇ります。

また、企業の設計・購買部門向けにパーツ管理によるコスト削減支援も行っています。

シナジーの可能性

この買収により、キーエンスは以下のような事業シナジーの創出を見込んでいます。

  • FA領域における設計・シミュレーションのデジタル化支援

  • 設計部門向けの新たなソリューション提供

  • オンラインプラットフォームを通じた販路の拡大

  • グローバルでのユーザー接点の強化(CADENASの既存顧客基盤活用)

これにより、キーエンスは従来のハードウェア領域にとどまらず、

デジタル領域でも高付加価値の提供を加速し、ものづくりの上流工程から支援する体制を構築する方針です。

株式取得の概要

  • 取得対象:CADENAS Technologies AGの全株式

  • 取得完了日:2025年5月20日

  • 異動後の株式保有割合:100%(完全子会社化)

今後の展望

今回の買収は、キーエンスの**「第2の柱」形成を視野に入れたデジタル戦略の核心**とも言えます。FAの未来において、3D CADや設計段階でのシミュレーション技術の重要性は増す一方であり、CADENAS社の技術はそのニーズに応える中核的存在です。

今後は、キーエンスの販売力とCADENASの開発力を融合させた、新たな製品・サービスの登場にも注目が集まります。