積水化学工業、横浜の総合不動産会社ベンハウスを買収──レジデンシャル事業強化へ

積水化学工業株式会社(4204)は、2025年5月23日、

神奈川県を中心に事業展開する総合不動産会社ベンハウス株式会社全株式を取得する契約を締結したと発表しました。

株式譲受の実行は2025年7〜8月頃を予定しています。

取引の概要

項目 内容
買収企業 積水化学工業株式会社(住宅カンパニー)
被買収企業 株式会社ベンハウス(神奈川県横浜市)
株式取得比率 100%(完全子会社化)
譲受予定時期 2025年7~8月頃(予定)

ベンハウスとは?

ベンハウスは、横浜・川崎・湘南・東京23区を中心としたエリアで、土地仕入・造成・販売までを一気通貫で行う総合不動産会社。

地域密着型の豊富な実績とノウハウを強みとし、都市型住宅用地開発に高い専門性を有しています。

M&Aの目的と戦略的背景

本件M&Aは、積水化学が推進する中期経営計画(2023〜2025年度)の重点テーマの一つ、

レジデンシャル事業領域の強化に基づくものです。

主な目的は以下の通りです:

  • 首都圏市場におけるプレゼンス拡大

  • ベンハウスの土地仕入・造成ノウハウの活用

  • 積水化学の資金力を活かしたベンハウスの成長支援

  • グループ全体としての都市住宅戦略の深化

積水化学は、2025年1月に不動産事業(賃貸管理等)とまちづくり事業を統合し、「レジデンシャル事業」として再編。今回の買収はその事業体制をさらに補強する動きです。

今後の展望

両社の連携により、首都圏を中心とした住宅開発体制の強化と、中長期での事業成長加速が期待されます。

また、ストックビジネスやリフォームとの相乗効果による

LTV(ライフタイムバリュー)最大化モデルの構築にもつながる可能性があります。

本件は、地域密着型不動産企業と大手住宅メーカーとの垂直統合型M&Aとして、

今後の都市住宅供給戦略の方向性を示す象徴的な事例となりそうです。