デジタル金融基盤の強化を狙い、総額約2,336億円で買収計画
2025年5月29日、NTTドコモ株式会社(東京都千代田区)は、住信SBIネット銀行株式会社(東証グロース:7163)に対して公開買付け(TOB)を実施し、同社を買収する計画を発表した。
買付総額は約2,336億円にのぼる見込みで、TOB完了後は住信SBIネット銀行は上場廃止となる予定。
本件の概要
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TOB価格:1株あたり 4,900円
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買付予定株数:47,674,496株
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買付期間:2025年5月30日~7月10日(30営業日)
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買付総額:約2,336億円
住信SBIネット銀行は本TOBに賛同を表明しており、スムーズな成立が見込まれている。
併せて締結された業務提携
本件TOBと並行して、以下の業務提携契約も締結された:
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住信SBIネット銀行 × 三井住友信託銀行
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住信SBIネット銀行 × SBIホールディングス × SBI証券
これにより、金融・証券・信託分野にまたがる連携体制が構築される。
NTTドコモの狙いとシナジー
NTTドコモは、金融分野における事業拡大と、通信と金融の融合による新たな価値創出を狙う。
主な成長戦略:
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デジタルバンク事業
口座数増加とメインバンク化による預金残高の拡大 -
モーゲージプラットフォーム事業
住宅ローン領域での顧客基盤拡大と収益性強化 -
BaaS(Banking as a Service)事業
プラットフォーム拡充と開発力強化 -
THEMIX事業の進化
銀行機能を核としたテックカンパニーへの進化を推進
業界への影響
本件は、通信キャリア大手が金融インフラへの本格進出を図る象徴的な大型TOBであり、フィンテック市場の競争激化や、通信×金融の融合モデルの加速を示唆する。
他のメガバンク系ネット銀行や通信企業の動向にも注目が集まる。