トヨタグループ、豊田自動織機をTOBで完全子会社化へ

持株解消と非自動車分野強化に向け非公開化を決断

2025年6月3日、トヨタ不動産株式会社(愛知県名古屋市)は、

トヨタ自動車をはじめとするトヨタグループ主導で新設する受け皿会社を通じ、

株式会社豊田自動織機(6201)に対してTOB(公開買付け)を実施し、非公開化する方針を発表した。

豊田自動織機はTOBに賛同しており、TOB成立後に上場廃止となる予定。

買収概要

内容 詳細
買収手法 株式公開買付け(TOB)
対象会社 株式会社豊田自動織機(6201・東証プライム)
買付予定株数 226,374,702株(上限なし、下限:126,216,300株)
買付価格 1株あたり16,300円
買付金額(最大) 約3.7兆円(3,689,907,642,600円)
TOB期間 2025年12月上旬開始予定(20営業日)
実施主体 トヨタグループ主導の新設会社

 

背景と目的

本TOBは以下のグループ再編および戦略強化を目的としたもの:

  • 株式持ち合いの解消による資本効率改善

  • トヨタグループとの迅速な事業連携

  • 非自動車分野での成長加速(物流・産業機械など)

  • 脱炭素社会への対応強化(グリーン技術・電動化対応)

特に、非公開化によるスピーディーな意思決定体制の構築と、

グループ内での明確な役割分担によって、トヨタグループ全体の競争力強化を図る構え。

豊田自動織機の今後のスタンス

上場廃止後も、トヨタ自動車以外の取引先(他の自動車メーカー等)への販売・事業提携は継続

非公開化によりグループ内外両面での事業自由度と柔軟性を両立させる方針。

注目ポイント(投資家・業界関係者向け)

  • トヨタグループ再編における中核M&A

  • 豊田自動織機の産業機械・バッテリー分野の活用余地

  • **過去最大級のTOB金額(3.7兆円)**による資本構造のインパクト

  • トヨタ流「持ち株整理×非自動車強化」モデルの象徴的取引

本件は、日本の老舗製造業におけるグループ戦略再編・資本政策の新フェーズを象徴するディールとなります。