【M&A速報】TOPPANホールディングス、タイのスマートカード大手dzcardグループを買収

アジア・アフリカ市場におけるカード発行体制を強化へ

2025年6月5日、TOPPANホールディングス株式会社(東証プライム:7911)およびグループ会社のTOPPAN Next Pte. Ltd.(シンガポール)は、グローバルセキュア事業を担うTOPPAN Securityを通じ、

タイのスマートカードソリューション企業dzcardグループの株式を100%取得することで合意した。

買収の概要

項目 内容
買収企業 TOPPANホールディングス株式会社、およびTOPPAN Next Pte. Ltd.
被買収企業 dzcardグループ(本社:タイ・サムットプラカーン)
取得割合 株式100%(完全子会社化)
実行主体 TOPPAN Security(グローバルセキュア事業会社)
取引形態 株式譲渡

 

dzcardグループとは?

  • 事業内容:スマートカード(特に金融・決済関連)の製造・発行

  • 主要市場:アジアおよびアフリカ諸国

  • 実績:地域に根差した強固な製造・発行ネットワークを構築

買収の目的とシナジー

TOPPANは、これまでも印刷テクノロジーを基盤に、エレクトロニクス・情報コミュニケーション・生活産業など広範な領域で事業を展開。本件M&Aでは、下記のような戦略的意図とシナジーが見込まれる。

◆ 主な狙い:

  • グローバルカード発行体制の強化
     特にアジア・アフリカ市場における製造・発行のローカライズ強化

  • サプライチェーンの最適化
     製造・パーソナライズ・BPOの一体運用でリードタイム短縮とコスト削減

  • セキュリティ・認証技術の融合
     TOPPANの高いセキュリティ技術と、dzcardの地域展開力の統合

今後の展望

  • アジア・アフリカ地域でのBPO拡充
     決済カード・IDカードなどの現地発行、運用受託体制を確立

  • サステナビリティ対応の加速
     環境配慮型カード素材・循環型サービスの開発強化

  • 金融DXを見据えた次世代カードサービスの展開

投資家・関係者向けポイント

  • TOPPANグループの海外セキュア事業強化の布石

  • BPO・カード発行を含む垂直統合モデルの確立

  • 成長性の高いアジア・アフリカ市場への事業拡張

本件M&Aにより、TOPPANはグローバルなセキュリティソリューション企業としての地位をさらに確固たるものとし、

フィンテック分野における競争優位を強化していく方針です。