欧州不動産運用の本格拡大へ――日系投資家の資金も視野に
三菱地所株式会社(8802)は、英国ロンドンに本社を構える不動産ファンド運用会社「Patron Capital Partners」の持分を取得し、
子会社化することを決定した。
取引の背景と狙い
三菱地所は、オフィス・商業施設から物流・ホテル・空港まで幅広い不動産開発・運用を手がけており、資産運用事業にも注力している。
今回のM&Aは、欧州における運用基盤の強化と、投資家ネットワークの多国籍化を見据えたもの。
Patron Capital Partnersは、
英国および欧州大陸にてオポチュニスティック型(高リスク・高リターン型)不動産ファンドを複数運用しており、
過去の累計投資規模は数十億ユーロに達する。
本件により、三菱地所は以下の成果を見込む:
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欧州における資産運用事業の本格展開
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現地ネットワークと投資案件ソーシング力の獲得
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日系を含むグローバル投資家からの資金調達力の強化
M&Aの位置づけ
本買収は、三菱地所の中期経営戦略における「海外運用ビジネスの収益柱化」を体現する一手といえる。
日本国内における成熟市場から脱却し、欧州のオポチュニティを積極的に取りに行く姿勢を明確にした。
企業概要(要点比較)
項目 | 三菱地所 | Patron Capital Partners |
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拠点 | 日本・グローバル | 英国ロンドン |
主力事業 | 不動産開発・賃貸・運用 | 欧州向け不動産ファンドの運用 |
特徴 | 資産規模・信頼性・国内基盤 | 投資巧者・案件選別力・欧州特化型 |
今後の展望
三菱地所は今後、Patronをハブとしつつ、欧州域内での高収益型ファンド設定・運用を強化する見込み。
日系機関投資家や富裕層に対して、魅力的な投資機会の提案も視野に入れる。