ITインフラ事業の成長加速とシナジー創出を狙い完全子会社化へ
オリックス株式会社(8591)は、仮想デスクトップサービスを手がけるアセンテック株式会社(3565)に対して、
公開買付け(TOB)を通じて完全子会社化する方針を発表した。
TOBは子会社のOPI・18株式会社を通じて実施し、アセンテックはこのTOBに対し賛同を表明している。
買付完了後、アセンテックは上場廃止となる見通し。
アセンテックとは
-
主力:仮想デスクトップ(VDI)関連ソリューションの販売・保守・開発
-
特徴:サーバー集約型のIT基盤に強みを持ち、テレワーク需要の高まりとともに成長
-
上場:東証グロース(証券コード:3565)
取引概要
項目 | 内容 |
---|---|
買付価格 | 1株あたり1,680円 |
買付予定株数 | 最大14,318,978株(上限なし) |
下限株数 | 9,546,000株(66.67%) |
買付期間 | 2025年6月17日〜8月4日(34営業日) |
買付代金 | 約240億円(24,055百万円) |
買収の狙いとシナジー効果
オリックスは、アセンテックを完全子会社化することで以下のような事業的・戦略的なシナジーを見込んでいる:
-
ICT分野でのポートフォリオ拡充:オリックスの成長戦略に沿ったIT事業の強化
-
営業ネットワークの融合:オリックスの取引先ネットワークとアセンテックの技術力を掛け合わせ、全国展開を加速
-
保守・開発・SI領域の連携強化:コスト構造の見直しと収益性の向上
-
人材交流:両社の人材資源を循環させ、従業員のキャリアアップと採用力の強化
今後の見通し
本TOBの成立により、アセンテックはオリックスグループの一員として、IT・DX関連事業の中核企業となることが期待される。
特に、クラウド活用やゼロトラストセキュリティの潮流の中で、仮想デスクトップ市場の成長を背景にした展開が加速しそうだ。