樹脂成形の中核企業を一社に集約、グループ価値の最大化へ
2025年6月18日、セレンディップ・ホールディングス株式会社(7318)は、傘下のエクセル・グループ5社を統合する吸収合併を発表した。合併効力発生日は2025年8月1日の予定。
合併の概要
区分 | 内容 |
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存続会社 | エクセル株式会社(東京都中央区) |
消滅会社 | エクセルホールディングス株式会社、エクセル製作所、エクセルエンジニアリング、エクセル・ロジスティクス |
合併方式 | 吸収合併方式(エクセル社が他4社を吸収) |
各社の主な役割
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エクセル株式会社:自動車部品・用品の輸出入および販売
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エクセル製作所:合成樹脂および金型機械の製造
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エクセルエンジニアリング:自動車用樹脂部品・金型の設計
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エクセル・ロジスティクス:部品・製品の検査、保管、物流
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エクセルホールディングス:経理・人事など管理業務
■ 合併の背景と狙い
エクセル・グループは、セレンディップHDが2024年12月に買収し傘下に加えた企業群。
中核技術は「3次元ブロー成形」で、高い設計自由度と樹脂の一体成形を可能にし、主に自動車用ダクト等の樹脂製品を製造している。
合併による目的:
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組織の一体運営による意思決定スピードの向上
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グループ内の経営資源の集約・最適化
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製品供給体制の効率化と機動力強化
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経営管理コストの削減
セレンディップHDの戦略的位置づけ
セレンディップHDは、地方の有力製造業などを中心にバイアウト型投資・PMI(経営統合)を通じた企業価値向上を得意とする企業。
今回の合併は、グループ傘下企業の機能を統合し、“製造×テクノロジー”の競争力を高める取り組みの一環とされる。
今後の展望
今後は、エクセルが持つ設計・成形・製造・物流までの一気通貫体制を活かし、EV関連部品や軽量化ニーズへの対応を強化。
さらに、他グループ企業との連携による製造業のDX推進や新素材開発にも注力していくと見られる。
編集部コメント
「製造業の“部分最適”から“全体最適”へ。エクセル・グループの合併は、単なるコスト削減ではなく、“統合による機動性と開発力の最大化”を狙った本格的なPMIだ。」