【M&A】住友林業、LeTechへの第2回TOBが成立

上場廃止へ、グループ連携を本格化

更新日:2025年6月24日

住友林業株式会社(1911)は、不動産開発を手がける株式会社LeTech(3497)に対する第2回公開買付け(TOB)を2025年6月23日に完了したと発表した。

買付けには応募数の下限・上限を設けておらず、応募のあった全株式を買い付けた。LeTechは今後、所定の手続きを経て東京証券取引所グロース市場から上場廃止となる予定。


■ 背景と目的

LeTechは、都市型の不動産開発・販売事業を展開する企業であり、近年は再開発や投資用不動産への強みを活かした成長を続けてきた。

住友林業は、2023年にLeTechと資本業務提携を開始して以降、今回のTOBを含めて段階的に関係を強化してきた。

今回の完全子会社化により、グループ間の連携をより強固にし、以下のシナジー創出を狙う:

  • 都市部不動産開発ノウハウの吸収

  • 木造建築技術との統合による付加価値向上

  • DXや再生可能エネルギーと組み合わせた新たな不動産モデルの構築


■ 今後の見通し

LeTechはTOB完了後に上場を廃止し、住友林業グループとしての再編・統合が進められる。
今後は、グループ資産の最適配分や、国内外都市開発への共同展開など、中長期的な収益性向上を見据えた本格的な統合フェーズへと移行していく。


■ 編集部コメント

住友林業にとっては、「木の会社」から「不動産×テクノロジー×サステナビリティ」へと進化する上で、LeTechの持つ都市開発ノウハウは大きな資産となる。
一方で、LeTechにとっても上場維持コストから解放され、より柔軟な事業展開が期待される。
今後のグループ連携の具体化に注目したい。