“会社を辞めて、いきなり社長”という選択肢がある。
「いつかは独立したい」
「自分で会社を経営してみたい」
そんな夢を持ちながら、なかなか一歩を踏み出せない方は多いのではないでしょうか。
その理由はさまざまです。
「何をやればいいのか分からない」
「ゼロから起業するのは怖い」
「資金面のリスクが大きすぎる」
しかし今、脱サラ後の独立手段として注目されているのが、“会社を買って社長になる”=M&Aによる独立です。
実際に、「営業経験しかなかった30代男性が小さな製造業を買収して年商5,000万円の社長に」
「子育て中の主婦がEC事業を買ってリモート社長に」
といった例が少しずつ増えてきています。
本記事では、「脱サラしてM&A」という現実的な選択肢について、メリット・注意点・実例を交えながら詳しく解説します。
そもそも「脱サラM&A」って何?
「脱サラM&A」とは、会社員が会社を辞めて、すでに存在する事業や法人を買収し、経営者として引き継ぐスタイルの独立方法です。
従来の独立との違い
項目 | ゼロからの起業 | M&Aによる独立 |
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スタート地点 | 売上ゼロ・顧客ゼロ | 既存顧客・売上あり |
ビジネスモデル構築 | 自分で企画・検証 | 既に形になっている |
リスク | 高い(失敗も多い) | 適切に買えば低め |
収益化までの時間 | 数ヶ月〜数年 | 最短で即月から利益 |
つまり、M&Aは「ゼロからではなく、すでに動いている車に乗り込むイメージ」です。
なぜM&Aで社長になる人が増えているのか?
① 事業承継型M&Aの案件が豊富にある
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日本では年間約5万社が廃業
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その多くは「黒字なのに後継者がいない」という理由
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年商1,000万〜5,000万円の小規模企業の売却が活発化
つまり、中身はしっかりしているのに、引き継ぎ手がいない会社が山ほどあるのです。
② 小さな事業なら“個人”でも買える
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300万円〜800万円程度で買える案件も多数
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日本政策金融公庫などの創業融資も活用可能
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副業レベルの小規模事業(ECサイト・サロン・コインランドリーなど)も人気
「個人が社長になる」というハードルは、以前よりかなり下がってきています。
③ 経営未経験者でも始めやすい
買収対象には、以下のような“仕組みが完成された”事業も含まれます。
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オペレーションマニュアルが整っている
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スタッフが自律的に動いている
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顧客や取引先が固定化している
つまり、プレイヤーとしての経験がなくても、“マネジメント型社長”としてスタートできるケースも増えています。
実際に「買って社長になった人」のリアルな事例
事例①:建設業の個人法人を500万円で買収(36歳・元営業職)
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従業員:4名(職人)
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年商:4,200万円
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自身は現場に出ず、請負管理+経理+営業に集中
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1年目から黒字化、2年で年商6,000万円に
事例②:美容室を引き継ぎ、地域密着経営(32歳・元メーカー勤務)
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スタッフ:2名
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前オーナーから全顧客・LINEアカウント・販促物を引き継ぎ
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元店長経験が活き、経営に専念できた
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M&A後もリブランディングで新規顧客獲得に成功
事例③:無在庫ECサイトを買収して“完全在宅社長”(38歳・元IT会社員)
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初期費用:250万円
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月商:約80万円、粗利30%
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商品は自動発注+外注サポート体制付き
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自宅にいながらリモート経営を実現
脱サラM&Aに向いている人・事業
◎ 向いている人
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「起業したいがゼロから作るのは不安」な人
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「経営・マネジメントに興味がある」人
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「自分の力で収入をコントロールしたい」人
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「業務経験はあるが経営経験はない」人(むしろ現場経験者は強い)
◎ 向いている事業の特徴
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地元密着型(美容室・飲食・整体院など)
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人手が少なくても回せる(EC・Web系・小売など)
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仕組みが整っている(マニュアル・販促・顧客リスト)
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買い手が個人でも運営できる規模
M&A独立を成功させるためのステップ
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目的を明確にする
→ 生活を支えたいのか?事業拡大したいのか? -
業種・規模を絞って探す
→ “何となく”ではなく、自分に向いている業界を見極める -
M&Aマッチングサイト or 仲介会社を活用
→ 個人でも使えるサイトが増加中(BATONZ・TRANBIなど) -
財務・運営状況を徹底調査(デューデリジェンス)
→ 実態と数字の整合性をチェック -
契約・引き継ぎ支援を受ける
→ 税理士・行政書士・M&Aアドバイザーに相談を
よくある疑問・不安へのQ&A
Q:素人でも経営できますか?
A:仕組みが完成されたビジネスなら、“継続するだけ”で利益が出るモデルも多数。経営支援者をつけるのも手です。
Q:資金があまりないのですが?
A:小規模案件なら創業融資+自己資金100万円程度でスタート可能。M&A支援制度や助成金もあります。
Q:売り手とのトラブルは起きませんか?
A:契約書や引き継ぎ支援内容を明確にすれば、トラブルの多くは防げます。仲介者を入れるのも安心材料になります。
まとめ|“買って社長になる”は、令和のリアルな独立手段
脱サラ=ゼロから起業、という時代は終わりました。
今や、会社を買って始めることで、より現実的かつ安全な独立が可能です。
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起業アイデアがなくてもOK
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経営未経験でもOK
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小規模事業なら個人でもOK
「今の仕事を続ける未来が見えない」
「人生を変えたい」
そう思ったとき、“M&Aで社長になる”という選択肢が、思っているより近くにあるかもしれません。