— 居酒屋・ラーメンを軸に急成長中の飲食ホールディングスが、50店舗超の焼鳥ブランドを獲得
2025年7月18日、飲食業界における注目すべきM&Aが発表された。
ラーメン・居酒屋など多業態を手がける**フーデックスホールディングス(東京都豊島区)が、焼鳥業態「串八珍」「元祖串八珍」などを展開する豊創フーズ(東京都文京区)**を買収し、グループ化した。
今回の株式取得は、ベーシック・キャピタル・マネジメント株式会社が助言するファンド「みのり2号投資事業有限責任組合」から全株式を取得する形で完了しており、フーデックスの外食事業拡大戦略の一環として注目される。
背景にある「多業態戦略」と「下町ニーズ」への対応
フーデックスは現在、「池袋屯ちん(ラーメン)」「かぶら屋(大衆酒場)」などを中核に120店舗超を国内外で展開しており、特に首都圏の“下町的消費ニーズ”に応えるブランド力が強み。
今回買収された豊創フーズは、東京都内を中心に50店舗以上を構える中堅飲食企業で、焼鳥を軸にしながらも「魚八(和食)」「ぱすたや(洋食)」「シーアン(中華)」など多国籍メニューも抱えている。
この“街中型の大衆飲食業態”の知見は、フーデックスの店舗網との親和性が極めて高く、即戦力として統合が進むと見られる。
「ポスト・コロナ飲食M&A」の流れ加速か?
コロナ禍以降、資本力を持つ飲食ホールディングスが、個人オーナー系・中堅飲食ブランドを取り込む動きは加速している。
今回の事例も、「ブランドは残しつつ、経営資源を統合する」ハイブリッド型M&Aの典型といえる。
特に注目したいのは、フーデックスのオペレーション力と、豊創フーズの地域密着型の業態がどう融合し、成長軌道に乗せられるか。
また、同様の「中堅飲食×ホールディングス型」のM&Aが、今後地方や他都市でも活発化する可能性がある。