EQT、都市空間移動システムの専業メーカー「フジテック」にTOB 約4,078億円で非公開化へ

2025年7月30日、スウェーデンの大手プライベートエクイティファンド・EQTは、傘下のBospolder 1株式会社(東京都港区)を通じて、東証プライム上場のフジテック株式会社(6406)に対し公開買付け(TOB)を実施することを発表した。フジテックもこのTOBに賛同を表明しており、買収完了後には上場廃止となる見通しだ。

フジテックとは

フジテックは、エレベーター・エスカレーター・動く歩道といった都市空間移動システムを専門に展開するグローバルメーカー。国内外で高い技術力と実績を誇り、都市インフラを支える中核企業の一社として知られる。

TOBの背景と狙い

EQTはフジテックを非公開化したうえで、同社の長期的成長を支援する方針。自社が持つグローバルなネットワークや経営ノウハウを活かし、フジテックの人材・技術に積極的な投資を行う。また、経営陣や従業員との対話を重視しながら、持続的かつ柔軟な成長戦略を進めるとしている。

TOBの概要

  • 買付対象株式数:最大71,547,486株

  • 買付価格:1株あたり5,700円

  • 買付代金(予定):約4,078億円

  • 買付下限:45,520,881株(取得割合が66.6%以上となる水準)

  • 買付期間:2026年1月下旬から20営業日(予定)

今後の見通し

TOB成立後は、フジテックは上場廃止となり、EQT傘下での経営再構築と成長戦略が本格化する。インフラ老朽化や都市機能の高度化が進む中、フジテックがどのような変貌を遂げるか、注目が集まる。