【速報】オリックス、アセンテックへのTOBが不成立

~下限未達で全株式の買付け中止。市場は“次の一手”に注目~

2025年8月5日、オリックス株式会社(8591)が展開していたアセンテック株式会社(3565)への公開買付け(TOB)が不成立となったことが明らかになった。


■ 背景と概要

本件TOBは、オリックスが完全子会社「OPI・18株式会社」を通じて実施。
アセンテックの普通株式について、9,546,000株以上の応募を買付成立の条件としていたが、最終的な応募は9,259,301株にとどまり、下限未達により全株式の買付けを中止する運びとなった。


■ アセンテックとは?

アセンテックは、仮想デスクトップやクラウド対応PCなど、ワークスタイル変革ソリューションを手がける先進IT企業。
近年はセキュアなリモートワーク環境の需要を背景に成長を遂げており、オリックスにとってはDX分野の中核育成案件として注目されていた。


■ TOB不成立の要因とは?

買付価格のプレミアムや、買収後の経営方針・独立性などを巡る既存株主側の懸念が一因とみられる。
アセンテック側は今回のTOBに対し、中立の立場を維持しており、明確な賛同表明をしていなかったことも、株主の判断に影響した可能性がある。


■ 今後の見通し

  • オリックス側の再TOBの可能性
     →価格や条件を見直して再チャレンジする余地あり

  • アセンテックの独立経営路線の強化
     →買収失敗を受けて中長期戦略を再構築する動きも

  • 他の資本パートナーの台頭
     →DX強化を狙う別企業からのM&A打診が再燃する可能性


【編集部コメント】

TOB不成立は一見ネガティブに映るが、買収側にとっては**“リスク回避”**の側面もある。
想定した株主構成にならない状態での経営統合は、事業運営やシナジー実現に支障をきたすリスクがあるため、潔く中止判断を下したオリックスの対応は戦略的判断といえる

一方、アセンテックにとっては、市場での独立性を示す格好の機会ともなり、今後の成長戦略が再び注目されることとなる。