太平洋セメント、パシフィックシステムを完全子会社化へ DX戦略強化でシナジー創出

太平洋セメント株式会社(東証プライム:5233)は8月8日、パシフィックシステム株式会社(東証スタンダード:3847)の普通株式を公開買付け(TOB)により取得し、完全子会社化する方針を発表した。

パシフィックシステムは今回のTOBに賛同を表明しており、買付け完了後には上場廃止となる予定。

両社の事業概要

太平洋セメントグループは、セメントや骨材・石灰石製品の製造を中心に、環境関連事業も展開。一方、パシフィックシステムは製造業・流通業・金融業など幅広い業界向けに、システム開発、ソフトウェア開発、システム運用管理を行っている。

完全子会社化の目的

太平洋セメントは、パシフィックシステムをグループに取り込むことで、以下のシナジー創出を目指す。

  • グループ全体でのDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の推進

  • 中長期的な視点での積極的な投資促進

  • コーポレート機能の効率化による生産性向上

買付け条件

  • 買付予定株数:507,524株(下限14,400株)

  • 買付期間:2025年8月12日(火)~2025年9月24日(水)(30営業日)

  • 買付価格:普通株式1株あたり6,850円

  • 買付総額:約34億7,653万9,400円(予定株数ベース)


編集部コメント
製造業のデジタル化は国内外で加速しており、今回の完全子会社化は太平洋セメントがデータ活用や業務効率化に本腰を入れる姿勢の表れといえる。特に、インフラ・素材系企業とITソリューション企業の組み合わせは、スマートファクトリー化やサプライチェーン最適化といった領域での競争力強化につながる可能性が高い。