桂川電機、MBOで非公開化へ 中長期視点での事業基盤再構築を目指す

桂川電機株式会社(東証スタンダード:6416)は8月8日、マネジメント・バイアウト(MBO)の実施を発表した。

MBOの一環として、株式会社Lemon(福岡市)が公開買付け(TOB)により桂川電機の普通株式を取得する。手続き完了後、桂川電機株式は上場廃止となる見込み。

買収主体の概要

Lemonは、桂川電機株式の取得および所有を目的に設立された企業で、代表取締役は田代雅也氏。同氏と桂川電機の代表取締役社長・渡邉正禮氏がLemonの全株式を保有している。

桂川電機の事業内容

同社は電子写真プリンタ、複写機、プロッタ、スキャナなどの大判デジタル機器を開発・製造・販売している。

MBOの目的

ペーパーレス化の進展により市場縮小が続く中、桂川電機は以下の課題に直面していた。

  • 製品・技術開発の推進

  • コスト競争力強化を目的とした生産工場への投資

  • 販売体制および事業基盤の強化

株式の非公開化によって、短期的な業績変動に左右されず、中長期的な視点での事業再構築を図る方針。

買付け条件

  • 買付予定株数:1,531,997株(下限1,021,400株)

  • 買付期間:2025年8月12日(火)~2025年9月24日(水)(30営業日)

  • 買付価格:普通株式1株あたり960円


編集部コメント
桂川電機のMBOは、縮小傾向にある大判プリント機器市場で生き残るための構造改革の一環といえる。上場廃止後は、株主への短期的な利益還元よりも、技術開発や製造体制の強化に注力できる環境が整う。特にペーパーレス化の波を逆手に取った新製品・新用途の開発が、今後の成長戦略の鍵となりそうだ。